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| Profile:佐々木 寿人 (ささき ひさと) |
1977年1月12日生まれ。仙台出身。フリー雀荘のメンバー、フリーで打ち続けるストリート系雀士を経て、一転、2006年から日本プロ麻雀連盟に所属する麻雀プロに。
鳴き、リーチを縦横に駆使し、対戦者にプレッシャーをかけ続ける超攻撃的な雀風が特徴。歌舞伎町などが主な主戦場。
近代麻雀に連載された『真剣−実録!!フリーで1,000万貯めた男−』のモデル。今最も注目される若手雀士。
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第12回
『北抜き』
今から三年ほど前のお話。
「殿〜っ、なんか教えてくれよ!」
あまりに暇だったので敬愛する足木健さんに電話してみる。
『おっ、コトブキか。じゃあ“北抜き”教えてやるから来なさい』
さすがだてに60年も生きてねぇや、なんだか面白そうだ。
早速、当時友人に居候させてもらっていた広尾からすっとんで行こうと思うのだが、困ったことに行き方がわからん。
東京は電車が多くてまいる。仙台は簡単でよかったのだが…。乏しい記憶を元にとりあえず新宿へ。 確かオレンジ色の電車だったなということで、中央線のホームまでは辿り着いたが、方向がこれまたわからん。 |
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しょうがない、聞かぬは一生の恥ということで、駅員に「吉祥寺はどっちですか」と訪ねると、10番線だと言う。危ねぇ、ここは8番線じゃねぇか。騙されるとこだった。 田舎もんであることを隠さず、聞くべきことは聞いたほうがいいなと大いに学んだ瞬間であった。
そんなこんなでいざ、大好きだった“ろくでなしBlues”の地へ出陣。 やっとの思いで吉祥寺に到着すると、足木さんと共に前原雄大プロも僕を待ってくれていた。前原プロといえば、これからやろうとしている“北抜き”で、昔圧勝の山を築いた打ち手だと聞く。 この二人が相手ならシミュレーションとはいえ、きっと沢山のことが学べるはずと心踊る。 まずは足木さんからの軽いルール説明。
使用するのは萬子の から を除いた27種108牌。
はそれを使わなければできない役満以外、手の内で使うことができず、常に抜きドラとなる。
を抜いた場合は、カンの時と同様に王牌から補充するので、ドラは5枚目をめくる。 |
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基本的なアガリ役は、七対子、清一、役満の三種類だという。3、6、12といえばそれぞれに与えられる点数のことだそうだ。 なんだ、それしか役がねぇのかよと誰しも思うことだろう。まぁ、もうちょっとだけ黙って聞いてみようではないか。
手の内にドラ(抜いた も含む)がある場合と、面前の場合の2種類は無条件でアガリとなる。ほう、だんだん門が広がってきたぞ。翻牌は一切ないが、リーチと一発(各2点)は有りで、裏ドラもカンドラも有る。 なおかつアガった時のボーナスとして、ケツ(嶺上牌)を2枚めくり、乗った分だけ点数に加算されるという御褒美もついている。
とにかくドラがあればいいってことだな。それとツモという役がない代わりに放銃点が2点つく。振り込みに対しての罰則のようなものだろう。 |
『後は、カラスだな。ドラも何もない手でアガったとするだろ。ケツを二枚めくってドラが乗っかれば、それも立派なアガリだから』
         
(ポン  、ロン 、ドラ )
四麻なら立派なアガリと認められる手だが、“北抜き”においては今のところ役なし。
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「おりゃ〜!」と力を込めてめくった牌が と だったあなたは、アガリ(1)、放銃(2)、ドラ5の8点の収入。運悪く と だった幸薄いあなたは10点ずつのチョンボ料で20点の出費という訳である。 ハイリスク、ローリターンだが、ここぞという時にはやってみる価値はありそうだ。何にせよ打ってみないことには始まらない。ここでしっかり身につけて1ヶ月後にはカモを喰っていくぞ。そんな意気込みでもらった最初の配牌は、
             
(ドラ 、親)
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かなりの良型である。北をさらすと、ケツから を引き、四巡目には、
            ( )
の聴牌を果たす。
ものは試しでとりあえずリーチをかけてみる。ツモれもしなければ、二人も一切前に出てくる様子がないまま九巡目まで進み、捨て牌はこうなっていた。
        
同巡足木さんがビシッと を打ってくる。聴牌か?僕は次巡 を引き、ケツから持って来た を切ると、バタッと足木さんの手牌が倒された。
            (ロン 、ドラ )
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『アガリ(1)、面前(1)、放銃(2)、3索のドラが1枚、めくりが1枚の6点。お前どんな手でリーチしたんだ?開けてみろ』 言われるがまま手牌を見せると、『サンマは打点の勝負じゃない。アガリの回数を優先させる打ち方をしなさい。これはヤミテンが基本。七巡目の と を入れ替えた3メンチャンでならまだリーチもわかる。前原みたいになんでもかんでもリーチすりゃいいってもんじゃないぞ』なるほどそうか、確かにアガリを逃した上の放銃だしな。次から気をつけよう。次局5巡目「リーチッ!」
            
(ドラ ) |
懲りない男である。 だがこの戦いは自分のフォームを作りあげるためのものだ。 足木さんは徹底したヤミテン、前原プロはリーチ攻撃、二人の勝ち組から二通りの戦い方を学べた良い一日となった。 |
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